模擬選挙

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これまでの模擬選挙の取り組み

模擬選挙については、代表理事の林大介が、2002年からNPO法人Rightsの中で「未成年“模擬”選挙」として実施、より「中立・公正」かつ戦略的に推進していくため事業が発展・独立、2006年以降は模擬選挙推進ネットワークhttp://www.mogisenkyo.com)として進めてきました。
2015年に文部科学省と総務省で作成した政治や選挙等に関する高校生向け副教材「私たちが拓く日本の未来 有権者として求められる力を身に付けるために」とその活用のための教師用指導資料の作成にも携わり、プログラムとして掲載されました。
政治や選挙等に関する高校生向け副教材「私たちが拓く日本の未来 有権者として求められる力を身に付けるために」http://www.soumu.go.jp/main_content/000386873.pdf

副教材活用のための指導資料http://www.soumu.go.jp/main_content/000378818.pdf

 

 

【模擬選挙とは】

「模擬選挙」には、以下のように複数のパターンがあります。
A「実際の選挙」を扱うパターン
①実際の選挙の時期に合わせて実施しないが、実際に行われた選挙を題材にして、その当時の資料などを使用して実施するパターン
②実際の選挙の時期に合わせて実施するパターン
B「仮(架空)の選挙」を扱うパターン
①「歴史上の人物」や「動物」などに投票するパターン
②自分たちで「仮の政党」(平和党、スポーツ党などテーマを設けたものや、自分たちの名前をつけたものなど)をつくったり、「仮の選挙」に立候補することをイメージして、それぞれが政策を掲げて立会演説会などを行い、最後に投票するパターン

Aは「実際の選挙」を扱う模擬選挙のケースです。「実際の選挙」はどうしても時期が限られてしまうため、授業で選挙について教えていない時期だったり、夏期休暇期間などそもそも授業が行われない時期に選挙が行われたりします。そこで、過去に実施された選挙をテーマに、その時の新聞記事や資料などを活用して、実際の政党や候補者に投票をするのが①です。ただし、実際の選挙後に行うため「結果が見え」ており、臨場感や新鮮さが薄まってしまうの面があります。
そうした中で、単なる「体験」だけではなく、実際の社会動静について自分たちなりに考えることを目的として実施しているのが、A②の、実際の選挙の時期(実際の公示日・告示日の翌日から投票日までの期間)に、学校や地域で模擬選挙を行う「未成年“模擬”選挙」です。
一方、Bの場合は、「仮(架空)の選挙」で模擬選挙を行う、つまり「生の政治」を扱わないタイプです。いわゆる「選挙体験」という形式で行われるもので、実施時期にとらわれることがなく融通が利きます。選挙啓発・有権者教育の一環として、明るい選挙推進協会や選挙管理委員会などが以前から出前授業として学校を訪問したり、自治体イベントなどで実施するなど、実際の政治情勢を意識することなく取り組める手軽さもあり、こうした形態での模擬選挙は、戦後の比較的早い時期から学校で取り組まれていたようです。
Bの場合は選挙制度を学んだり、投票方法を体験することができますが、実際の選挙や政治を題材にするわけではないため内容に現実性がなく、「体験」に終始する側面があります。

【模擬選挙の実施方法】

模擬選挙を実施するにあたっては、(1)事前準備、(2)事前授業、(3)投票、(4)開票及び結果公表、(5)事後指導及び事後報告、という5つの段階があります。
また、模擬選挙の実施方法においては、以下のように大きく3つのパターンに分けられます。
①教室の中で、授業時間内で投票
社会科のみならず、総合学習や情報、英語、国語、家庭科など、生徒への呼びかけと投票時間さえとれれば参加できます。投票用紙さえつくれば最低限のことが実施できます。
②教室の外で、昼休み・放課後に投票
昼休み時間や放課後に、社会科教室や体育館、昇降口などに設けた模擬投票所で投票を行います。受付を手伝ってくれる生徒が生徒会などから出てくれば実施できます。
③プリントを配布して、校外でのネット投票などを呼びかける
模擬選挙推進ネットワークや地域の実施団体が作成したチラシや自作のプリントを配布し、Web・FAX・郵送などの投票を呼びかけます。

上記のどのパターンで実施するのかは、各学校・団体によって異なりますので、実施が可能なものを検討してください。

◆実施上の留意点
・公職選挙法第138条の3「人気投票の公表の禁止」に留意し、集計結果は本選挙の票数が確定するまで一切公表しない。
・ポスターやマニフェストは学内だけで見られるようにして、実際の選挙への関与・影響がないように注意する。
・政治的公正性、中立性に留意し、学内の選挙運動など特定の政党や候補者に有利な言動がないように注意する。

○模擬選挙の流れ
【①教室の中で、授業時間内で投票】を例に、(1)事前準備、(2)事前授業、(3)投票、(4)開票及び結果公表、(5)事後指導及び事後報告、の順番で説明します。
【②教室の外で、昼休み・放課後に投票】の場合もほぼ同じにですが、「投票方法」の部分が異なります。

(1)事前準備

①実施計画(授業指導案)を作成する。
・本書の巻末「資料編」を活用するほか、模擬選挙推進ネットワークのウェブサイトから、投票用紙のデザイン、授業で使えるワークシートや授業案、社会科通信などをダウンロードできます。
http://www.mogisenkyo.com/

②管理職などに連絡をし、実施の承認を受ける(詳細は、P○ 第3節「関係者への説明と関連機関との連携」を参照)
また、必要に応じて、他の先生や生徒に協力を要請する。

③模擬選挙を実施する選挙に関する情報を収集する(候補者名や政党名、立候補者数なども)。
※政策について学ぶための情報源(例)
模擬選挙推進ネットワークhttp://www.mogisenkyo.com
・選挙と政治の総合サイト 選挙ドットコムhttp://go2senkyo.com/
・全国会議員の情報(経歴、政策、考え方等) 構想日本http://db.kosonippon.org/
・公開討論会を全国各地でサポート リンカーン・フォーラムhttp://www.touronkai.com/
Yahoo!みんなの政治http://seiji.yahoo.co.jp/
楽天政治LOVE JAPANhttp://seiji.rakuten.co.jp/
毎日新聞ボートマッチ(えらぼーと)http://mainichi.jp/votematch/46shu/index.php
総務省http://www.soumu.go.jp/
明るい選挙推進協会http://www.akaruisenkyo.or.jp/
※模擬選挙推進ネットワークなどと協力した企画の活用
・10代による公開質問状:10代からの質問を各政党や立候補予定者宛に送付し、回答をウェブなどを通じて公開します。
・10代による政党本部/選挙事務所訪問:10代が各政党本部や候補者の選挙事務所を訪ね、党首・幹事長・政調会長などと意見交換を行なう。訪問模様はウェブなどを通じて公開します。
・公開討論会/合同個人演説会:各選挙区内で行なわれる、主要候補者を招いた公開討論会に参加する。事前に主催者と交渉し、「未成年者席」を確保してもらうことが可能です。

④地元の選挙管理委員会や明るい選挙推進協会に協力を要請する
・事前に、学校所在地の選挙管理委員会(都道府県の選管ではなく、市区町村の選管)に打診をしてください。また、模擬選挙の時期とは別の時から関係性をもっておくと比較的スムーズにいきます。
・「選挙公報」や実際の選挙で使用する「投票箱」「記載台」、場合によっては「選挙啓発グッズ」等を提供していただけます

⑤実施のための資料(選挙公報、新聞記事、各政党のマニフェストやポスター等)やグッズ(投票用紙、投票箱、記載台、選挙啓発グッズ等)を用意する。
<資料>
・候補者、政党一覧:選挙公示日の夕方あるいは翌朝の新聞やインターネットなどで、立候補者の情報を確認し一覧を作成する。
・選挙公報:選挙管理委員会にあらかじめ必要枚数などを連絡します。選挙公報は選挙公示日以後に作成・印刷のため、入手できるのが実際の投票日ギリギリになる場合があります。
・新聞記事やニュースの録画:新聞の政策比較記事や公示日夕刊の党首第一声の記事、公示日夕方のニュース(党首や候補者の第一声をコンパクトにまとめているのでお勧め)など、授業で使える資料を準備
・各政党や候補者のポスターやマニフェスト:国政選挙の際は、模擬選挙推進ネットワークに連絡があった学校・団体に対しては、各政党のポスターやマニフェストなどを参考資料として送付致します。地方選挙の場合は、各学校・団体で入手してください。
・各政党や候補者の政策一覧:選挙の争点などをまとめた学習用プリントを作成。模擬選挙推進ネットワークに連絡をいただければ、他の学校の先生方が作成された資料などを共有できます。
・学習用の教材の入手:模擬選挙推進ネットワークのウェブサイトから各種教材をダウンロードできます。学年や学習進度など必要に応じて加工してご活用ください。
・インターネットを活用:「毎日新聞えらぼーと」 などを活用する場合は、生徒全員にパソコンが必要になるため、PC教室などを予約する必要があります。(ウェブ版を簡略化した紙版についても用意していますので、お問い合わせください)

<グッズ>
・投票用紙
A各学校や地域で準備する(本物に近いもの/オリジナル)
B模擬選挙推進ネットワークが準備したものを使ったり、アレンジを加える(性別、年齢、選挙区名、候補者・政党名記入欄、投票した理由、感想) →ウェブサイトからダウンロードできます。
※投票用紙を学年ごとに色を変えると、集計する際に見分けがつきます。
・投票箱
A学校や地域で、ダンボールなどを使って作成する。
B選挙管理委員会から借りる。この場合は、事前に連絡が必要です。
・集計用紙:投票結果を集計するための集計用紙を用意する

<その他>
・記載台:選挙管理委員会から借りることができます。事前に連絡をしてください。
・模擬選挙を呼び掛けるポスター等の掲示:先生が作成されても良いですが、生徒に作成してもらうと、生徒側の参加意欲が喚起されます。

⑥模擬選挙の実施について、生徒や保護者などに事前に説明する。

⑦模擬選挙を呼びかけるポスター、入手した選挙公報、政党ポスターなどを校内や教室に掲示したりして、模擬選挙の雰囲気を盛り上げる。

⑧必要に応じて、選挙の争点などをまとめたプリントなどを事前に生徒に配布する。

⑨マスコミなどに模擬選挙の実施をお知らせする。

(2)事前授業(具体的な授業案は後述)

・選挙公報を活用した授業
・候補者や政党に政策に対する質問を行う授業
・新聞やビデオを活用した授業
・ワークシートなどを活用した授業
・ボートマッチ(複数の設問に答えて、自分の考えと一致する政党を見つける) などを活用した授業
・調べ学習を丁寧に行う授業
・授業で呼びかけて、各自が調べる
※いずれの場合も、未来の有権者である生徒が自分で考えて投票できる体制を整えることが大事です。

(3)投票

①授業内で投票を行う場合
・投票用紙を全員に配布する。その際、棄権や白票についても説明する。
・教壇などに置いた投票箱に、生徒が順番に投票する
※投票所を別途設けて、実際の選挙に似た投票ブース(記載台を設置)を準備することも可能
②授業時間外(昼休み、放課後など)で投票を行う場合
・投票所に生徒に来てもらい、投票用紙を配布する。その際、名簿で確認をすると二重投票の防止になるほか、投票率を計算することができます
・投票所の運営を、生徒に担ってもらうと、生徒が主体的に関われるようになります。
※投票日に校内放送などで投票を呼び掛けると、学校全体が模擬選挙の雰囲気になります。

(4)開票及び結果公表

①教員、大人だけで開票作業を実施しても構いませんが、生徒による選挙管理委員会などが実施すると、生徒が主体的に関われるようになります。
②集計結果を一覧表にまとめる。また、結果を模擬選挙推進ネットワークに送信する。
③実際の選挙結果が公表された後に、模擬選挙の結果を公表する
※模擬選挙の結果の公表は、実際の選挙結果が公表された後に行う必要があります。特に生徒による開票作業を実施された際は、その旨、生徒に伝えてください。
※模擬選挙推進ネットワークに皆さまから届きました選挙結果は、全国集計し、実際の選挙結果が公表された後に模擬選挙の公表いたします。その際、学校・団体別の投票結果の公表は、模擬選挙推進ネットワークとしては実施しません。各学校・団体が個別に結果公表されることは問題ありませんが、その場合は各学校・団体の責任の上で実施してください。

(5)事後指導及び事後報告

①実際の選挙終了後、模擬選挙の校内結果と全国集計との違いや実際の選挙結果との違いを確認する
②模擬選挙に関連しての感想意見や選挙アンケート(自分の争点や投票理由、結果への感想など)を書いたり、意見交換を行う
③教育委員会や選挙管理委員会などに、生徒の感想などとともに報告を行う。

〈様々な授業実践例〉
○選挙公報を活用した授業実践 全1時間
1時限:選挙公報を見て「気づいたこと」「疑問に思うこと」を5~6人のグループで意見交換した後に、クラス全体で意見交換を行い、投票する
※選挙公報は、地元の選挙管理委員会からクラスの人数分提供してもらう(1クラス分提供してもらい、授業終了後に回収し複数クラスで使い回す)

○ボートマッチ(複数の設問に答えて、自分の考えと一致する政党を見つける) などを活用した授業  全1時間
1時限目:選挙公報を配布して各政党や候補者の政策を知る。その後、ボートマッチを活用して、自分の考えと一致する政党を見つける。その後、投票を行う

○候補者や政党に政策に対する質問を行う授業実践 全2時間
1時限:「政党本部探検ツアー」「公開質問状」の質問を作成(生徒代表が候補者や政党を訪問してインタビューor公開質問状を送付して回答をもらう)
2時限:政党本部探検ツアーを踏まえて、各政党別に政策を発表

○新聞やビデオを活用した授業実践 全2時間
1時限:選挙に関する新聞記事の配布と議会・国会を紹介するビデオ(15分)の視聴
2時限:選挙の背景の説明&投票

○ワークシートなどを活用した授業実践 全3時限
1時限:ポリティカル・ビンゴ(各政党の党首や、選挙の日程、議員定数などの16の設問の答えを、4×4のビンゴシートに回答させる)
2時限:新聞ワークシート(選挙関連の新聞記事を、政党別に政策をまとめる)
3時限:ワークシートの確認&投票

○調べ学習を丁寧に行う授業実践 全8時間
1時限:生徒の政治意識に関する実態調査①
2時限:衆議院議員選挙のしくみ(選挙の問題点、一票の重み、18歳選挙権)
3時限:政党の意義と働き(立候補予定者の顔ぶれ、各政党と党首)
4時限:各政党のマニフェストの調査
5時限:選挙報道を見る(各政党の第一声、地元候補者の訴え)
6時限:模擬投票の注意&投票
7時限:模擬投票の結果発表&実際の選挙結果との比較
8時限:生徒の政治意識に関する実態調査②(模擬選挙を終えて)

※授業で政策を調べない実践例
○授業で呼びかけて、各自が調べて投票 (教員が生徒に働きかけて生徒主体で実施することも可能)
[事前指導]
・授業で選挙制度について説明し、公示日以降、新聞の選挙報道特集などを各クラスに張り出す
・授業においては、棄権する自由があり、授業の成績とはまったく関係ないことを伝える
・投票にあたっては、保護者や家族がどんな風に投票しているかを聞いてくるようすすめるなど、事前に考えてくるように促す
・必要に応じて、社会科通信や各党党首第一声をまとめたプリントなどを生徒に配布する
[投票]
・社会科教室や昇降口、体育館などを「投票所」にして、昼休み・放課後に実施
※名簿などで投票受付を管理すると、「投票率」を出すことができます
[事後指導]
・選挙後の授業で、実際の選挙結果との比較を行う

【よくある質問】

Q1.各党・候補者の政策比較をどのように行えばいいのでしょうか?
A1.政策比較をする際、注意すべきことは、客観性・公平性・中立性への配慮です。具体的な方法としては、以下のようなものがあります。(授業実践例も読んでください。)
①新聞記事の政策比較表や党首第一声などを掲示・配布する
②選挙公報や公約集(マニフェストなど)を掲示・配布する:選挙公報については選挙管理委員会に問い合わせてください。
③各選挙区で実施されている公開討論会への参加を呼びかける:実施されていない選挙区もありますので、リンカーン・フォーラムのホームページで確認してください。
④政策比較サイト(新聞社によるウェブサイトや、Yahoo!みんなの政治、楽天政治LOVE JAPAN、ボートマッチなど)を紹介・提示する
なお、各政党の政策比較などを行う際は、教師の主観が入ったと受け止められないように、各政党・立候補予定者のマニフェストやホームページ、新聞記事などを使うのがベストです。
また、新聞を使用する際は、一紙だけではなく、複数紙取り扱うことで、公平性・中立性を担保してください。

Q2.模擬選挙を実施する際、特に気をつけねばならないことは何ですか?
A2.中立性と結果公表の仕方に注意してください。
①政治的中立性を守ってください。
②実際の選挙の結果が公表されるまでは、たとえ模擬選挙の開票作業を終えていたとしても模擬選挙の結果を公表しないで下さい。実際の選挙結果が公表される前に模擬選挙の結果を公表すると、公職選挙法違反となります。

Q3.生徒にどのような説明や指示が必要ですか?
A3.成績のためでないこと、事前調べの大切さや、投票先は自分で決めることなど、下記の5点について説明してください。
・投票行為そのものは成績に関係しないこと
・棄権や白紙投票をすることもできること
・投票前には新聞・テレビなどでいろいろな主張や政策を調べて、自分がもっともよいと思った候補者や政党を選ぶこと。マニフェストを読んだり、政党のウェブサイトを見たり、地域の公開討論会に参加するなど、できるだけ多くの情報を集める努力が大切であること
・友だちや家族と選挙についてよく話をして、最後に自分の意思で決めること
・投票した内容について話す必要がないこと(秘密投票)

Q4.実際の選挙にどこまで近づければいいですか?
A4.以下の例を参考にして、それぞれの学校の実情や授業内容に応じた形で実施してください。
①学校の選挙区と異なる選挙区に住む生徒がいる場合(国政選挙)
→政党投票として実施(同じ形で調べ学習が可能)し、候補者投票を希望する場合は、各生徒の選挙区ごとに実施
②模擬選挙を実施する選挙区に住んでいない生徒がいる場合(地方選挙/国政選挙の補欠選挙)
→選ぶ練習として、住所に関係なく学校が所在する選挙区での投票を認める
③受付や投票のやり方
→投票者確認や投票用紙、ブース、立会人などは、無理でない範囲で実際に近づければよい。

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